土地探しコラム

都市総合力ランキングをシミュレーション。「東京」は都市再生の取り組みで世界3位に

(一社)不動産協会は5日、「世界の都市総合力ランキング 政策効果シミュレーション」の結果を発表した。

6月に閣議決定された“日本再興戦略2016”では、政策目標として「2020年までに、世界の都市総合力ランキングにおいて、東京が3位に入る」とされ、東京の国際競争力強化に向けて、国を挙げた取り組みが求められている。そこで、東京の国際競争力のさらなる向上に向け、取り組むべき課題や必要な施策を明らかにすることを目的に、(一財)森記念財団都市戦略研究所の協力のもと、東京の順位を向上させるための政策効果シミュレーションを実施したもの。

戦略的取り組みの効果予測(東京のみ)では、国土交通省の「大都市戦略」等を基に、都市の総合力を高めると期待される10の取り組みを「都市再生の取り組み」と「都市再生以外の取り組み」に分けて設定。これらの取り組みごとに、影響を受けると想定される指標を抽出し、同指標についての影響予測を実施。都市再生の動向や公表情報、行政目標等を勘案して20年時点の数値目標を設定した。

民間都市再生事業の実施や、国際会議等の開催のための施設整備、文化施設の整備といった「都市再生の取り組み」を実施することで、東京の総合スコアは1316.7pt(現時点より26.3ptアップ)となり、総合順位は3位になると予測。これに加え、「環境インバウンド施策の実施」や「東京オリンピックの開催」、「スマートエネルギー都市の実現・自然環境の充実」、「国際交通ネットワークの強化」などを実施することで、総合スコアは1361.9pt(同71.4ptアップ)とさらに上昇する見込みであることが分かった。

さらに、法人税率の引き下げや、起業支援施策、労働生産性向上施策といった「国際競争力強化に向けた経済施策」を実施した場合は、1393.9pt(同10.35ptアップ)となり、総合順位は2位へとランクアップすることも可能という結果となった。

2016年9月6日5:39 PM